便秘症
こどもの便秘症について
こどもの便秘は、10人に1人以上と考えられています。こどもの便秘症の症状は、便を十分に出し切れていない、便が長い時間出ていない、便が固くてでにくい状態を指します。
- 排便の回数が週に2回以下
- コロコロの便や軟らかい便が頻繁にでる
- 排便時に力んで痛がる、肛門から出血がある
- パンツにうんちが付いている
- うんちだけ漏らしてしまう(おしっこは我慢できる)
- おなかの下の方が張っている
- 嘔吐を繰り返す
などの症状がみられた場合は、お子さんが「便秘症」の可能性があります。
こどもの便秘の原因
こどもが便秘になる原因は様々ですが、便が腸を通過するまでに時間を要する、便を出すときにうまく力むことができないなどが原因として挙げられます。
これらの原因のキッカケとして、離乳食の開始時期や離乳食離れをした時期など食事内容が変わった時や、トイレトレーニングによるストレス、小学校への入学や引っ越しなど生活環境の変化なども挙げられます。
こどもの便秘 ~2つの悪循環~
便が腸に溜まると、2つの悪循環が回って症状が更に悪化するリスクがあります。
- 悪循環1
腸に便がたまると、たまった便を保てるように腸がより広がります。すると便が溜まりやすくなり、便意を催しにくくなります。こうなると便が腸に更に溜まるという悪循環が起こります。
- 悪循環2
更に、腸に便が長時間溜まっていると便から水分が吸収されて便が固くなります。すると排便時に痛みを伴うことが多くなり、痛いのを避けるため排便を我慢するようになるという悪循環も起こります。
これらの悪循環を断ち切るには早めに治療を開始することが大切になります。
こどもの便秘の治療方針
診察、検査
お子さんの便の硬さや頻度などを問診させていただきます。また、腹部の張りなども触診させていただく場合があります。その上で更に検査が必要と判断した場合は腹部のレントゲン撮影や超音波検査を行い、腹部に便がどの程度溜まっているかなどを確かめます。
治療方法
- 食事療法
食事療法では水分と食物繊維を意識的に摂取する食事を心掛けていただきます。
~食物繊維の摂取量の目安~
3~7歳 10g/日以上、8~14歳4.5g/日以上
当院には管理栄養士・栄養士が在籍しておりますので、便秘解消のための食事について栄養士より詳しく説明させていただくことも可能です。ご希望の方はお気軽に仰ってください。
※管理栄養士・栄養士からの栄養相談に関しては別日にご来院いただく場合もございます。
- 薬物療法
便を軟らかくするお薬や腸を刺激して便意を起こしやすくするお薬、漢方薬など、症状に合わせてお薬を処方します。
便秘の薬はクセにならないか?と心配される親御さんもおられますが、当院で処方するお薬はどれもクセになりにくいお薬ですのでご安心ください。
こどもの便秘対策
その他、赤ちゃんの場合はお家で綿棒浣腸や便秘マッサージなどをしていただくことも便秘対策の一つです。綿棒浣腸やマッサージの仕方についても当院で詳しくお伝えさせていただいておりますので、ご興味のある方はご来院ください。