好中球減少症
好中球減少症とは
血中の好中球が減少した状態です。細菌や真菌の感染リスクおよび重症度が増してしまいます。乳幼児ではしばしば好中球減少症を経験します。
‐乳幼児の自己免疫性好中球減少症について‐
原因はほとんど不明ですが、好中球をつくられる際に問題があるとされています。遺伝性のものの多くは小児期に発症します。乳幼児期に主にみられるのは、自己免疫性好中球減少症か重症先天性好中球減少症です。軽症の場合、易感染性はなく、健診などで偶然発見されることもあります。自己免疫性好中球の軽症の多くは5歳までにほぼ軽快するケースが多いです。
症状
主な症状は好中球減少による易感染性で、感染がなければ大抵は無症状です。好中球が少ないほど感染症に伴う重症度が上がり、合併症を引き起こすリスクも上がります。上気道炎や中耳炎などの細菌性感染症を反復することがありますが、軽症の場合が多いです。高度の好中球減少症の場合、自覚症状や他覚所見を伴わないこともあります。
合併症
感染を合併している場合、感染している臓器に応じた症状が出ます。例として細菌性肺炎を合併した場合は、呼吸困難、発熱が出現し、髄膜炎などを合併した場合には、意識障害、発熱などの症状が出ます。好発感染臓器は、肺、泌尿器、腸管、皮膚などですが、あらゆる臓器に感染を起こしうる病気です。
治療
自己免疫性好中球減少症の場合は、重症感染症を合併する頻度は低いので通常は感染症時の適切な抗生剤投与のみで済みます。重症性好中球減少症の場合は、造血幹細胞の移植が適応となります。
※状態や程度によっては他の医療機関へ紹介することがあります。