思春期早発症
思春期早発症とは
思春期は、性ホルモンの分泌により身体の変化(二次性徴)が見られ、男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしい体つきに変わり、最終的に生殖能力を獲得します。
思春期早発症は、この思春期特有の体つきの変化が2~3年早く始まってしまうものです。
この思春期早発症は、女の子が男の子の3~5倍多く発症します。
思春期早発症の問題点
成長が早いことは良いことと思われるかもしれませんが、性成熟が早期にあらわれることにより、成長とのバランスが崩れてしまいます。この結果次のようなことが起こる可能性があります。
①乳房や陰毛、月経などが幼い頃から出現するので、周囲からの社会的なストレスが起こる。
②早期に身体が完成してしまうため、一時的に身長が伸びたあと小柄のまま成長がストップしてしまう。
③「思春期早発症」の原因が脳腫瘍である場合があるので、早期発見、早期治療を行う必要がある。
思春期早発症の症状
思春期が何をきっかけに始まるのか解明されていませんが、性ホルモンが上昇することにより性差がはっきりとします。
<男の子>
・9歳までに精巣(睾丸)が発育する(一般的には9歳6ヵ月~13歳6ヵ月)
・10歳までに陰毛が生える
・11歳までにわき毛やひげが生えたり、声変わりが見られる
<女の子>
・7歳6ヵ月までに乳房がふくらみ始める(一般的には7歳6ヵ月~12歳)
・8歳までにわき毛、陰毛が生える
・10歳6ヵ月までに生理が始まる(一般的には10歳6ヵ月~14歳)
通常、思春期早発症の子どもは、身長が高いことが多いですが、身長が低いにも関わらずこのような症状が見られた場合は、診断基準年齢をもう1歳高くした基準で判断する事があります。
思春期早発症の原因
思春期早発症の原因は性ホルモンが早期に分泌されることによるものですが、大きくは中枢性と末梢性のものに分類されます。
<中枢性>
性ホルモンを分泌をコントロールする脳の一部が早期から活性化することにより精巣や卵巣が刺激されて成育が起こってしまうもの。
<末梢性>
体の様々な臓器に腫瘍などができてしまい、その腫瘍から性ホルモンが分泌されてしまうもの。
思春期早発症の治療
思春期早発症の治療は、原因によって異なります。
中枢性の思春期早発症であれば、性ホルモンの分泌を抑えるためのお薬を4週に1回注射します。これにより、二次性徴が進むのを緩やかにして大人になった時の身長が極端に低くならないようにします。
一方、腫瘍などによる思春期早発症は、腫瘍の摘出などその原因に対する治療が基本となります。
思春期早発症の治療は必要な検査や気を付けるべきことなどもありますので、お気軽に当院までご相談ください。